軍名の集団自決を追う女性監督

国際通りのスターバックで、ドキュメンタリー映画監督の撮影秘話を聞いた。

その舞台は、第二次世界大戦の末期、米軍が真っ先に上陸した慶良間諸島である。
中でも、彼女は当時の阿嘉島座間味島での日本兵の奔走と、それに翻弄させられた地元民の真実の姿を追って長い。
これは、座間味島の元軍隊長梅沢氏が、「沖縄ノート」の著作者大江健三郎氏とその出版元の岩波を訴えて起こされた裁判を左右していて、彼女の並々ならぬ調査によって、岩波側は一審、二審とも勝利している。でも、最高裁ではどうなることやら。
沖縄戦での住民や日本軍の実態を消し去ろうとする「新しい教科書」にも大いなる真実をぶっつけなければ、日本の現状はおかしくなっているし、国民の忘却は計り知れないから私もこの監督には応援したい気持ちなのである。
この頃では、すべてアメリカの計画と言われているけど、国境での小競り合いで北朝鮮と韓国で民間人の死者を出してから米軍は共同訓練を刺激的に開始すると言う構図をどれほどの人が気づいているだろう。
沖縄の那覇空港では自衛隊が、嘉手納基地でも米軍がここぞとばかり空を占領して無駄なエネルギーと騒音を垂れ流している・・。
国民、県民の多くはどこ吹く風である。
何をしていいかわからないと言うことでもあるかな。
小沢氏が総理で伊波氏が県知事だったら、アメリカはこんなに我が物顔でいられるだろうかーなんて今更ながら考えてしまう・・。

いつもの事ながら、話が流れてしまったけど、
この75歳の超パワフルな女性監督。
沖縄に書き残されている冊子や資料にメスをいれ、真実をあぶりだすために奔走している。
座間味島の集団自決の記録で有名な宮城晴美著の「母の残したもの」にはかなりの異議があって、調査を念入りにした結果、その後晴美さんも訂正している。
真実をあぶりだすためのこれ程のエネルギーはいったいどこから来るんだろうと思いをはせた・・民族の問題があり、人の永遠のテーマが見える。
住民の視線に立って、住民を信頼して、住民の生の声を聞きだす姿勢には感服する。
時として強引なので、理解を得られず困っている姿が痛々しい。
時として、その成果を他の所に横取りされて悔しい思いがかなり募っているとみえる。
私は聞き役しか出来ないけど、いつもたっぷりの話を聞かせてもらって、
色々感じた。
彼女の話の中に登場する人々のかなりの人を私も知っている。
色々な想いが横切る・・、人は他人の一面しか見ないし、利害関係でどの面で接するか人それぞれなので、評価も違ってくるんだよなー。
結局、私情を消して、見方を変えて、前向きに全貌を想像することが大切だな。
なかなかできる事ではないけど、久しぶりに強い刺激を受けて思ったよ。
アリランのうた」制作委員会のドキュメンタリーはいつも惹きつけられる作品だけど、来年完成の作品も待たれる。