平山郁夫氏の絵画展を観た。


2か月も前に買っておいた美術館のチケットがバッグの中にしわ皺になっているー。
やっと終焉間際に出かけた。
今まで絵画として面白いと思わなかったけど、平山氏の原爆被爆の健康不安と闘いながらの生きざまには感動した。
原爆被爆があったからこそ、絵描きとして仏教を求めてアジアを旅し、玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の生きざまをたどったのだろう。
そんな中、アジアの仏教遺跡の保存に力を注ぎ、世界に仏教界の復元を試みた。
イスラム過激派によるバーミアン遺跡の破壊事件は記憶に新しいことだ。
イスラム教やキリスト教排他主義であることに対して、仏教はその抱擁力においては世界に類を見ないすぐれて、哲学的な宗教だと私もいつも感服いる。
だから、イスラム教信者にとってアジア、日本は住みやすい地域なんだそうな。
(もちろん各地には私の知らない多くの自然崇拝があるけれど)
さて、平山氏の大きな仕事の一つに奈良の薬師寺に収められた須弥山(しゅみせん)は神や仏とあがめられた山だけど、平山画伯はヒマラヤを描いてそれとした。
ヒマラヤ山脈の中、ひときわ高く美しい姿のエベレストが中国からインドへ仏教を求めて旅した玄奘三蔵にとって、神仏の姿だったとしても不思議ではない。
この絵画展で
以前、ブータンの旅の帰りにインド空港に向かう途中、機上からエベレストを見た時の感激をしっかと思い出して、そのまぶしいばかりの神々しさを再確認できた。
沖縄で平山氏の絵画展があって、ふらりと出かけたとはいえ、いい時間を体験させてもらったなー。
バーミヤンの石仏遺跡

奈良は仏教の東の果て