台湾映画「セデック・バレ」

これまたとうとう最終日に観たのだった。
台湾に旅行した時に、日本人の私たちの知らない歴史が多くあることを知って興味深かったので、なおさら観ようと思っていた。

一部太陽旗、二部虹の橋、合計4時間半、長編の大作である。
これは戦前、台湾原住民による最大規模の抗日暴動事件を史実に基づいて描いたものである。
制作資金不足には女優ビビアン・スーが自費を投入したと言う思い入れの強い映画なのだわ。
霧社セデック族の頭目モーナ・ルダオを中心とした6つの集落の男たち300人が日本人を襲撃、140人を殺害した。
結果、日本軍の反撃で集落の民1000人が壮絶な戦いの後に殺された。
我が物顔で台湾の地下資源を目的に土足で縄張りを荒らし、原住民を卑下する日本人を見ていると、生活と文化を守るため襲撃は自然の成り行きであった。
セデック・バルとは「真の人」と言う意味である。
北のアイヌとよく似ている。奏でる楽器も同じ。
自然を愛し、山の民として誇りを持って生きる種族はまぶしいほどかっこいい。
虹の橋とは、祖先の待つ、あの世への橋であり、
負け戦と解っていても、日本人を許せず、誇り高く死を選ぶ人々であった。
日本人であることが恥ずかしくなるほどの歴史映画であった。
強者が弱者の地を強奪する構図は今も脈々と続いている。