天才ピアニスト

若くて華奢なのに、上原ひろみさんのピアノ演奏は神業?かと感じるくらいにすばらしい。
ジャズピアニストとして、世界を回り、又、東京ジャズフェスティバルには毎回出場してはその得意稀なる魅力を、私はテレビで楽しんでいた。
だから、そのジャズ演奏を生で聞けるなんて生涯不可能だと思っていた・・。
でもなんと!ここ沖縄にはこんな稀なる人がひょいとやってくることがあるのである。
彼女はたった一人、舞台で、グランドピアノを玩(もてあそ)ぶ。
たった一人でピアノを弾いているなんて思えないほど、その音は複雑で広大で深くて、澄んでいてきれい。
演奏曲の80パーセントがその日の創作でアドリブだってー、そして昨夜もきれいな、引きこまれるような曲を聞かせてくれた。
ジャズはリズムが命だと思うけど、彼女以上にすぐれたリズム感の持ち主はいないだろうなー。
大胆で個性的なところはシュールでもある。
ピアノと彼女の掛け合いにしびれ、そのうち、ピアノを介して彼女と観客の掛け合いにも楽しさが・・会場の盛り上がりは彼女の演奏のすごさと、プラス謙虚な人柄ともあいまって、最高だったなー。
でも一つ気になっていることがある。
曲の一つにラスベガスを題材にしたものがあった。カジノのいろんな音を軽快なジャズのリズムで表現している。
・・やはり、沖縄で持ち上がっているカジノ建設を思い起こさずにはいられなくて、気持ちがざわついた。
彼女はたぶん大忙しの音楽生活に身を置きを、等身大の環境のすべてを受け入れているだけに過ぎない。
生活の裏をイメージするタイプの音楽家ではないし、・・もっとも今は若い、この先はわからないけど。
その後、家のテレビ録画を整理していて、なぜか消せずに残こしている忌野清志郎さんのショーを見ていたら、いつになく、清志郎さんのメッセージが印象深く入ってきた。
今になって思うことだけど、井上陽水の前座だったなんて・・、確かに井上陽水の曲は大好きだしすごいけど、清志郎さんの生き様の方に引かれる今日この頃。