映画「海洋天国」

歯の治療後はしばらくは外出が出来ないかもしれないので心残りがないように・・
桜坂シアターに「海洋天国」を観に行った。
「よくあるパターン」だと評する人も多い。
自閉症の息子を持つ父親は余命わずかの父子家庭。
残される息子に、この余命の日々をいったいどう接していくのだろう。
ドラマは親子が、ボートから足を縄で縛って飛び込む、心中風景から始まる。
誰でも、これが最後のシーンだろうと思う。
これから、心中に至るまでのドラマが始まるんだと。
でも違った、泳ぎが得意な亡き母親に似て、泳ぎが得意な息子は死ななかった、だから父も死ねなかった。
それから一人でも生活する力を身につけさせようと、日々父親の必死の努力が続く。
ユーモアと愛情あふれる、我慢強い、知恵を振り絞る父親の姿に涙しないではおれない。
施設探し、バスの乗り方、卵の割り方、服の脱ぎ着・・
やがて、死は訪れた。でも息子は多くの後見人を得て、みんなに見守られながら父親の教えに従って、生きてゆけそうだ(これを言っちゃいけないか(^_^;))。
これほど根気強く子どもに接する姿は、家族の関係の中にも学ぶものがありそう。
主演の男の子もハンサムでかわいいけど、父親のジェット・リーは台本を読んだだけで「やりたい、ギャラはいらない」といった程だって。
実に自然体でいい味をだしている。
映画館はすすり涙であふれていた。