トルコ映画「蜂蜜」

この映画は「卵」「ミルク」に続く「蜂蜜」と三部作になっていて、大人から子ども時代へとつまり、過去へ、一人の男の核心である幼年期の体験を追う。
「蜂蜜」は、森に囲まれた山間部で養蜂業を営む親子3人の家族が舞台。
ここで、6歳のユスフの父親が、ある日、森に入って帰らぬ人となった。
ユスフにとって、愛する父の喪失感が「卵」(青年期)、「ミルク」(大人)へと続くのだろう。
残念ながら「卵」と「ミルク」は見逃した。
でも、いつかきっと。
第60回ベルリン国際映画祭金熊賞も受賞している。と知って、難解だけどなんだか安心して楽しめた(^_^;)。
解りにくい映画のようで、すこぶる納得の心情風景に手ごたえを感じて、久々に映画の醍醐味を深く感じた。
子役のうまいこと!、と言うか、これはセミフ・カプランオール監督のすごさであって。
また、映し出される場面は美しいと言うより、監督はどうしてこんな構図を思いつくのだろうと感動してしまう。
森の中の冷たい雨、ぬかるみの道、いつもある暖炉の炎、じゅうたんの温かさ、花柄のカーテンから射す赤い光・・。
年末になって、沖縄も冷たい強風が吹き付けている。
こんな日は時間を見つけて映画がいい。
ポイントが貯まっていたので無料なのもうれしい。
この映画の観客は、落ち着いた感じの中年、老年の人たちが目立っていて、妙にいい感じだったなー。