金城実氏も

朴壽南監督の記録映画「命果報」は、監督の思いのまんまに、ほんとに迫力あった。
何と言っても、戦争犯罪を暴くという彼女の執念が、体験者の心を動かし、長い沈黙を破り固い口を開き、重い悲惨な過去の記憶をよみがえらせていった。
登場人物は名もなき民であり、いつの時代にも真っ先に被害をこうむる民なのである。
監督が生き残った老女に自決の時の話を聞かせてくれとお願いすると、息子が「もう昔のことだろー、今がいいならいいじゃん」と冷たく言う場面が象徴的だった。
息子は飽食の現代に流され、な〜んにも考えることをしなくなった民を象徴していた。
確かに、監督は映画制作のためにと思い詰めて、多くの家族に分け入っては、追い返されたことだろう。
でも、純真な多くの協力者を得て、いいものが出来ている。
多額の借金があるからまだ第二弾を世に出すまでは死ねないんだと。
娘さんが助監督として、盲目になった監督を支えているのは幸いです。
試写会には沖縄の各方面で頑張っている人が見えていたけど、中でも金城実さんの「広島、長崎の問題では行き着くことのない戦争犯罪筆頭者の天皇問題を含んでいるのが沖縄の集団自決に象徴される戦争の実態。
だから、沖縄の動きを、世間はいろんな方法で必至に抹殺しようとしている。これを不問に付しては将来に禍根を残す、」と言うようなことを発言された。大いに納得。