源氏物語の講座始まる

ここ桜坂の市民大学ではこの源氏物語講座は何周したんだろう?
私は二回目だけど、もはや男女の機微もそう問題ではない、ましてストーリーなど問題ではなく、左大臣家と右大臣家天皇家の権力争いをこの恋愛物語と言う表現に見て取ることに話のウエイトが置かれていて興味深い。
韓国ドラマにも共通点がありそうだ。
一番権力を誇っていた左大臣家に対して右大臣家の娘を桐壷天皇は正妻として迎え入れた。
しかしその弘徽殿の大后は息子を次期天皇にということだけが使命のように生きた。
天皇天皇でいかに自我を貫くかを、後ろ盾のない桐壷更衣だけを愛しむという行動で表す。
政略結婚の妻を退けることはその背にある権力を無視することとしてとらえられる。
もちろん政治をするにはバランスが大切で、息子光源氏がそのバランス感覚を女性を選び訪ね歩く行動に示している物語であることも面白い。
源氏物語の入門は学校の図書館にもあるという漫画「あさきゆめみし」だとされている。
私は漫画が読めないけど、それはそれでいいけど、たぶんその話は一面でしかないと思う。
最近読んでみた内館牧子著の「十二単を着た悪魔」は弘徽殿の大后を、自立した現代女性の生き方に共通するものがあると、彼女にスポットを当てて書いている。
弘徽殿の大后は第一夫人でありながら、天皇から無視されていた女性だけど
かわいくない女性の理知的で合理的で気丈な精神を称賛する姿には共感と、ちょっとほほえましくもあるなー。
余りにも膨大なスケールなので、紫式部一人だけで書き上げたのかも疑問視されている物語ではあるけれど、
何せ奥が深く、広く、興味は尽きない。
その絵巻物としての美術作品としても、風流の極みを味わう楽しみも隣り合わせで楽しい。