映画「約束」を見た

サブタイトルは名張毒ぶどう酒事件死刑因の生涯である。
主演・仲代達矢、母親役・樹木希林だからなおさら興味がわいた。
52年前、三重県の山村の集会所での宴会でぶどう酒を飲んだ女性5人(妻と愛人と言われる女性も含む)が死亡した事件である。
村人の誰かが犯人であろうと考えられて・・・奥西勝氏が逮捕され安直にも自白を強要され、お上を信じて従った。
村人の証言もいいかげんだった。
その後は自白を翻して、実証証拠もなく一審では無罪だった。
にもかかわらず、その10年後逆転有罪で最高裁で死刑が確定した。
失意の中、理解ある正義の弁護士や人権団体が彼の再審請求を推し進め、頑張った。
半世紀もの間、死刑の執行におびえながら何度も何度も。
何より、二人の子供のために頑張って無罪を勝ち取ってほしいと願った。
母親の苦労と励まし、独房へ届けられる四季折々の外界の自然を描いた絵手紙などが見る者の心を温かくした。
(しかし、無罪を見ることなく母と息子は死んだ。これは最高裁裁判官らの出世争いの結果であり、超エリートらのとても重い罪だ)
その間、弁護士たちの涙ぐましい検証作業や署名活動は7回の再審請求に及び、再犯を勝ち取ることもあった。
なのにその度に最高裁で審理取り消しになった理由は、ただただ、裁判長の人事に結びつく内部事情であった。
よくわかった!。
再審を決めた裁判官はその後退職だったので出来たわけで、でなければ、先輩の審判にたてついた裁判官は地方に飛ばされ、一生冷や飯を食らうと言われている司法の世界である。
怒りがふつふつとわき起こるとともに、このような映画で司法界の怖さを世間に知らしめる他はないと思った。
昨今では政治家小沢一郎氏らが官僚とアメリカからの自立をうたって、司法官僚の罠に落とされ、マスコミの不当な報道で世間の目を全く狂わしてしまっている。
今、橋下市長のマスコミからのたたかれ方が少し変と感じている。
内容は女性蔑視、恥知らずと言われても仕方がないけれど、この人は官僚支配打破をうたっていたし・・どうもマスコミの罠にまんまとはまったかもー。